地球を見下ろして

地球的観点から書く

節月暦とは?

グレゴリオ暦では1年は多くの場合365日であるが、概ね4年に一度閏年を入れている。これは地球が1回公転するのにかかる時間が約365.2422日であるので、そのずれを調節するためである。ただし閏日を入れると1年の平均の長さが365.25日と若干長くなりすぎてしまうので、400年に3回は閏年を除外している。これによって1年の平均の長さが365.2425日になるが、それでも完全に一致はしていない。さらに例外規定を設ければより正確になっていくが、完全に誤差をゼロにするのは不可能である。そこで、発想の転換をしてみよう。旧暦では各月の1日は必ず新月であった。これと同様に、1月1日を必ず冬至とする暦を導入すれば、永遠に暦の月日と実際の日付がずれることはなくなる。同様にして、2月1日は必ず大寒、3月1日は必ず雨水、4月1日は必ず春分、5月1日は必ず穀雨、6月1日は必ず小満、7月1日は夏至、8月1日は大暑、9月1日は処暑、10月1日は秋分、11月1日は霜降、12月1日は大雪などと決めてしまう。このように、二十四節気に合わせて決める月を節月という。そこで、このような暦を節月暦と呼ぶことにする。では、2023年の暦を節月暦で決めるとどうなるのか。ただし、2023年1月1日をグレゴリオ暦2022年の冬至とする。暦は世界共通なので、二十四節気の日付にはグリニッジ標準時を採用することとする。二十四節気も東アジアだけのものではあるが、太陽黄経を用いて決定可能であるので大きな問題はない。

1月:グレゴリオ暦2022年12月21日-2023年1月19日、30日間

2月:同1月20日-2月17日、29日間

3月:同2月18日-3月19日、30日間

4月:同3月20日-4月19日、31日間

5月:同4月20日-5月20日、30日間

6月:同5月21日-6月20日、31日間

7月:同6月21日-7月22日、32日間

8月:同7月23日-8月22日、31日間

9月:同8月23日-9月22日、31日間

10月:同9月23日-10月22日、30日間

11月:同10月23日-11月21日、30日間

12月:同11月22日-12月21日、30日間

月の日数は、以上のように29日から32日になる。北半球での夏の方が長い月が多いが、これは北半球の夏は太陽が遠日点付近にあるので地球の公転速度が遅くなり(ケプラーの第二法則)、太陽が黄道を動く速度も遅くなるためである。そして、この暦では月の日数が毎年変動する。例えば、節月暦の2024年1月はグレゴリオ暦2023年12月22日から2024年1月19日の29日間となる。また、この暦でも1年は365日か366日のいずれかとなるが、規則性がない。そのため、カレンダーを作るには二十四節気の計算が必須となり、骨が折れそうである。